2010-09-12から1日間の記事一覧

夜に願う

酔った頬をそっと窘める涼風のように、諭されたい。 その優しさに甘えて目を伏せ、宇宙の音に耳を澄ませる。 覚束ないうつつは瞼の裏であるべき形に収束していく。 所在なかったかなしみは柔らかい土に吸い込まれていく。 降り注ぐ星屑の限りなく透明な冷た…

空虚な食事

ちまちま、そんな言葉が相応しいペースで 新品の白い皿の上にのった、端も果ても知れぬ巨大な悲しみを歯で齧って、黙々と口を動かす。 黙々と、何も考えず。 フォークもナイフなんて振り翳せば翳すほど空しくなるから、素手で。 出されたものをいただきまし…

しかし

相手にそうさせていたのは、或いはするのは、私の所為というところが大きいんだろうなとは思う。 自己完結型、入る隙間がない、かたちを変え声を変えいくつも投げかけられてきた言葉たち。 いつも寂しい気持ちにさせてしまう。 そして最も問題なのは、それを…

誰もが私を化石にしても

私は、恋愛に安心も安定も求めてない。 とてもそうみられがちだけど、ほんとうにこれっぽっちも求めてないのです。 穏やかに笑う目尻や微睡む腕の中、豊饒の沈黙。それらはとても尊いものだし、いいなぁと思う瞬間は勿論ある。 けれど私はもっと、切実であり…