夜に願う

酔った頬をそっと窘める涼風のように、諭されたい。
その優しさに甘えて目を伏せ、宇宙の音に耳を澄ませる。
覚束ないうつつは瞼の裏であるべき形に収束していく。
所在なかったかなしみは柔らかい土に吸い込まれていく。
降り注ぐ星屑の限りなく透明な冷たさと、もたれかかった肩の曖昧なぬくもり。
そういうところで、声もなく泣きたい。