2015-01-20 うろんむろん ヌルッとした手ごたえがあった。 否応なしにめぐる世界が様相を変えつつある。 すがりつきたい手すりはあの人の腕の太さにそっくりだった。夜。渡る必要のない歩道橋を渡る。 流れていく車のライトをみながら口遊むメロディー。 役に立たぬ情報から手繰り寄せた真実は、でっち上げの実によくできたストーリーで、頭の中のカンヌ映画祭ではスタンディングオベーションが起こっていた。怒(いか)りながら破顔し、悲しむそぶりで悦びを噛み締めていた。