ユートピア

瞳の奥には魔物がいて、ずっとみつめあっていたらふたりはお互いの魔物に喰われてしまう気がする。

差し向かうのも肩を並べるのもいいけれどわたしは背中合わせにいちばん心惹かれるな、など。
背骨と背骨の触れ合うごつごつした感じや背中の体温を感じながら、今自分のみているこの景色をどうやって報告しようか考えながら、同じ風に吹かれていたい。不安になったら、時折手を握ってみて、その柔らかさと温かさに奇跡を読み取ってひとり噛みしめてみたい。

孤独と体温の不可分性。