ドロップかと思ったらグミだった

驚いてしまうし、身が竦む。
私は、自分の一挙一動が他人に影響を与えるだなんて思ってもみなかったし、正直今もまだあまりそのことを理解できていない。
私のなにげなくこぼした私の性質を説明する言葉で傷ついた、という彼の言葉にひどく驚くのも、おそらくそれゆえだ。
その患部を隠そうとするそぶりや痛そうに顰められた眉、そういった相手の「傷に対しての反応」をみせられて初めて、「私の何かが相手を傷つけた」ということを知る。
けれど、あまりそういうことを分かってない私にその傷を癒す手はないような気がしてしまい、何となく気後れする。
ぼんやりと思う、人間はもっと固い個体だと思っていたと。
だからそのあやふやさや脆さや柔さを、まだうまく撫でられない。
少し遠くから愛おしんだり慈しむことしか、今はまだ。