不協和音

歯科で膿を出すために歯茎を切ったのを境に体内に蓄積されていたであろう疲労が病気となって噴出し、内科で処方箋を受け取って帰宅したら母親と喧嘩をした。
母親と私は生きていく原動力となる感情が恐らく異なっているし、自己同一性の在り方も大分異なっているように思うから、喧嘩しても噛み合っておらずひたすら相手に罵声を浴びせるという不毛な消耗戦以外の何物でもない行為に終始している。
家族はしんどくてめんどうくさい。それ以上にあたたかいのは確かに知っている筈なのに、今はとにかく一刻も早く一人暮らししたいとしか思えなくて、そんな自分の浅はかさに溜め息が漏れる。