バターナイフ

近ごろ、人間関係に於いて主体性を放棄している。
とてもいい意味で。
もうあんなに厭っていた誤解をも恐れないし、そもそも、誤解というのは実際があるからこそあらわれる概念であり、今の私に実際などないありはしないという気づきのもとでは、誤解など生じる筈もないのである。

どう捉えられても構わない。
減るもの、削られていくものは何一つもない。
誰かといることに楽しさしか感じない。

そう思いながら誰かといることは、とても気楽で、自由的においに満ちていて、風通しのいいことなのだな、と日々肌で感じている。

あなたじゃなければだめなの、は今は云うことも云われることも欲していないかも知れない。後者は有難いけれど。

多分この性質はもともと私の中にあったものだけれど、ここまでその場が楽しければオッケー、が加速するのは久しぶり。その場をしのげればオッケーはデフォルメだけれども。


お酒の波にのって、初雪のように溶けてしまう会話を降り積もらせていくこと。
溶けてしまうからこそ惜しむことだってできる。