時計の秒針のカチ、カチという音がこわくてたまらなくて電池を抜いた。
朝きちんと起きなければと思い、夜中に何度も何度も目が覚めてしまう。
銀色の流しに積み重なった皿やコップをみると息が苦しくなる。
床に髪の毛が落ちていたら心臓がきゅうっと痛む。
父親の些細で他愛もない咎めるようなことばに本気で泣きそうになる。
携帯が鳴ると反射的に顔をしかめてしまう。
けれどわたしがやらないとやるひとがいないからけっきょく解決策はない。
ぜんぶ心持ち次第だってわかってるのにちゃんとそういう心の状態を維持できない自分にいらだちばかりが募る。
あまえるな、ちゃんとしろ。
