腐敗もしくはリセットボタンを押されたロボット

のように何もしなかった。からだは動かず、こころも淀みきっていた。
ただ一日汗で湿ったベッドの枕に鼻を押しつけて行くべきだったセミナーにも行かず、ドアの向こうで両親と愛犬のたてる健やかな生活の音に耳をそばだててるだけ。なんて卑屈で姑息な生物なんだ。
こういう日は、日の光に照らされた大学のキャンパスも賑わう休日の東京メトロも全てが遠く、同じ地平に存在することがどうしても信じられない。
私は自分の中にあるこの性質をとても恐れている。
にんげんらしさとは程遠いくらやみに、優しさと落ち着きを見出すところ。
けれどそれは確かにあるから、もうどうしようもない。うまくやり過ごすしかない。
こういう日が来るとますます、働くことへの自信が失せる。
偽っているとか取り繕ってるとか思うことなく働ける場所を探すしかない。