ねこを百匹かぶる

お通夜の話。
典型的な都会の核家族で育ったわたしにとってはいつもいつも、「世の中にはこういうせかいもあるんだ」と驚かされる場所。
うんと年上の人ばっかりで、ずっと微笑み湛えっぱなしで、おんおん赤ら顔で泣き崩れるわたしにとってどういう人にあたるのかも分からないおじさんをみながら、また祖父が遠くなった。
いつもいつもお通夜は賑やかで、みんな泣いたり笑ったり忙しい。
わたしはいつもいつもその隅っこでオードブルをつついてる。

純粋なかなしみなんてこの世にあるのでしょうか。